場面緘黙症


場面緘黙症とは、強い不安や緊張、恐怖からある特定の場面・状況では話せなくなってしまう症状のことです。


子どもが自宅では家族と問題なく会話をしているのに、学校や幼稚園など家の外では全く、もしくはそれほど話せなくなってしまいます。

誰とも話さないという例も少なくありません。



そして、非常に内気な様子に見え、グループでの活動に入りたがらなかったりする子もいます。



強い不安により体が思うように動かせなくなる緘動(かんどう)という症状が出る場合もあります。



単なる人見知りや恥ずかしがり屋との大きな違いは、

症状が大変強く、何年たっても自然には症状が改善せずに長く続く場合があるという点です。



ただし、適切な支援により改善も見込める症状で、

不安や緊張を和らげながらスモールステップを踏んでいくことが重要です。



ASDなどの発達障害に起因するものだけでなく、脳機能そのものに問題はない場合や行動面・学習面などでも問題のない場合もあり、非常に気付かれにくいこともあります。






【場面緘黙症の診断基準(DSM-5)】


●他の状況では話すことができるにもかかわらず、ある特定の状況(例えば学校のように、話すことが求められる状況)では、一貫して話すことができない。


●この疾患によって、学業上、職業上の成績、または社会的な交流の機会を持つことを、著しく阻害されている。


●このような状態が、少なくとも一ヶ月以上続いている。(これは、学校での最初の一ヶ月間に限定されない)


●話すことができないのは、その社会的状況において必要とされている話し言葉を知らなかったり、また、うまく話せない、という理由からではない。


●コミュニケーション障害(例えば吃音症)では説明がつかず、また、広汎性発達障害、統合失調症またはその他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではない。




場面緘黙症は、まだ社会的に認知度の低い疾患で、適切な支援が受けられない事がしばしばあります。