感覚がとても敏感で生活に大きな不便があることを感覚過敏、
反対に、とても鈍感で不便があることを感覚鈍麻といいます。
感覚過敏には、
聴覚過敏・・・
特定の音がものすごく苦手、音が聞こえすぎてつらくなってしまう。
触覚過敏・・・
服のタグや縫い目を嫌がったり、特定の肌触りの服しか着れない等の困難さがあります。繊維の刺激が針で刺されているような耐え難い刺激に感じてしまいます。
視覚過敏・・・
明るい屋外や電気の光などをとてもまぶしく感じます。
視界が白とびするなどとても見難く感じたり、目をあげていることが苦痛に感じる場合もあります。
通常の白い紙では眩しくて、書字や読書が難しい場合もあります。
嗅覚過敏・・・
匂いに敏感で苦手な匂いの場所に近づくことが困難です。
匂いが苦痛に感じたりします。
味覚過敏・・・
味覚に過敏さがあり偏食になりやすい傾向があります。
などがあります。
感覚鈍麻には、
排泄感覚の乏しさがあったり、痛覚が鈍く怪我に気づけないなどがあります。
感覚過敏・鈍麻は脳の感覚刺激の受け取り方の違いで起こると言われています。
五感で受け取った情報を処理し認識するのは脳であり、
同じ感覚刺激でも、それをどのように感じるかは、その人の脳の刺激の受け取り方で違うのです。
発達障害のある人の中には、
感覚過敏・鈍麻の特性を持ち合わせている人が多くいるとされています。
だからといって、感覚過敏があるから発達障害というわけではありません。
感覚過敏は周囲からわかりにくいため理解が得られにくく、努力やガマンが足りないと誤解されやすい側面があります。
問題のように思える言動の背景に、感覚過敏からくる苦手さが隠れていることもあります。
特に小さなお子さんでは、
自分でもなにがイヤなのかわからず、周り伝えられないことが多くあります。
また聴覚過敏、視覚過敏においては、 本人にとってはそれが当たり前の聞こえ方・見え方であるため、本人も人との違いに気づくことが難しい傾向にあります。
感覚過敏に対しては、無理強いしないことが大切です。
原因をとりのぞく、避ける、こころの準備や理解ができるようにあらかじめ説明するなどの対応をすると本人の苦痛を軽減することができます。
聴覚過敏にはイヤーマフ・ノイズキャンセラーなど、
視覚過敏にはサングラス・グリーンノートなど、
嗅覚過敏にマスクなどのアイテムツール
を活用するのも、本人の苦痛を軽減するのに役立ちます。
感覚過敏は、
そのときの体調や気分によっても大きく左右されるため、
同じ感覚刺激であっても、体調が悪かったり、緊張や不安、ストレス負荷のあるときには、感覚過敏の症状が強く出やすい傾向にあります。